
寝かしつけを改善するにはどうすればいい?月齢別の効果的な方法
多くのママパパが悩んでいる寝かしつけ問題。実は気付かないうちに状況を悪化させる「NG行動」をしてしまっているということもあるかもしれません。 しかし、少しコツを掴むだけで思ったより楽になることも多いものです。
本稿ではまず乳幼児のスムーズな寝かしつけ全般に効果的な習慣や環境をご紹介し、続いて新生児から1歳2ヶ月頃まで、月齢ごとにより具体的な寝かしつけ改善ポイントを詳しくご説明します。
寝かしつけを改善するコツ
乳幼児の寝かしつけの基本となる習慣や環境の整え方を5つご紹介します。
1.寝室の温度と湿度を整える
乳幼児を寝かしつける時の寝室の適温は思いのほか低く、20-22度程度と言われています。それって寒くない…?と心配になるママパパもいるかもしれませんが、実は一般的に赤ちゃんが不快を感じやすいのは暑さのほうで、寒さは相対的に得意なのです。また、湿度によっても快適か不快か、感じ方が変わってきます。湿度は40-60%がベストです。夏場は湿度の上がり過ぎ、冬場は下がり過ぎに加え、温度が高過ぎないか、温湿度計を設置して確認してみましょう。季節ごとの詳しい情報はこちらからチェックしてみてくださいね。
2.光の使い方を工夫する
私たちは睡眠ホルモンである「メラトニン」が分泌されることで、スムーズに眠りにつくことができますが、照明が明るい状態ではその分泌が抑制されてしまいます。これは、周りが明るいことで体内時計がまだ昼間だと勘違いしてしまうためです。メラトニンの分泌を促すため、理想的には就寝の2時間前から、遅くとも1時間前からは明かりを抑えてみてください。調光可能な照明であれば調光機能を活用し、調光が出来ないタイプの照明の場合は、点ける照明の数を減らしたり、間接照明に切り替えるのもよいですね。照明の色は目にやさしい暖色系がおすすめです。
ぐっすり昼寝をさせるためや早朝起きの悩みを予防するためには寝室を真っ暗にすることが大切です。その際、意外と気になるカーテンの隙間からの光や家電の電源灯などは、遮光シートや紙・布などを小さくカットして光を遮断するとよいですよ。より詳しい情報はこちらをご覧ください。
3.ぐっすりノイズを流す
赤ちゃんは子宮の中では絶えず音が聞こえる環境で過ごしていたため、静かすぎると不安に感じたり、落ち着かないことがあります。このような場合、胎内音に似た音、「ホワイトノイズ」を流すことで安心させてあげることができます。「ホワイトノイズ」とは、換気扇の作動音のような音のことです。赤ちゃんに聞かせる音ということで、機械音はあんまり…というママパパもいるかと思います。そんな方におすすめなのが、わたしが共同開発した、日本各地の自然音を録音した「ぐっすり安眠ノイズ集」です。安眠ノイズは大人の睡眠にも効果的ですよ。
ホワイトノイズの効果的な使い方など、より詳しく知りたい方はこちらの投稿もご覧ください。
4.ねんねルーティンを取り入れる
寝かしつけ前の時間はお子さんとどんな風に過ごしていますか?寝かしつけまでの流れが決まっていなかったり、毎日違うという方は、まず日々の流れを統一することから始めてみましょう!子どもは次に起こることが予想できると安心します。例えば低月齢のお子さんであれば、「おくるみをしたら、ママとおやすみのあいさつをして、寝るんだな〜」など、お子さん自身が理解できていることが、寝ることへの納得度を高め、寝るための心の準備をすることに実はつながっています!
ねんねルーティーンで何をしたらいいか分からない方は、月齢別のおすすめルーティンをご紹介しているこちらの投稿を参考にしてくださいね。
5.セルフねんねを習得する
日本では定番の添い寝は、親がストレスを感じたり、慢性的な寝不足に陥っていないのであれば選択肢の一つです。ただし、添い寝には窒息事故などのリスクがあるため、安全面には十分な配慮が必要です。特に6ヶ月未満や寝返りがえりを習得する前のお子さんとの添い寝や、親が疲弊・飲酒している時の添い寝はリスクが高く、おすすめできません。
また、大人用ベッドでの添い寝は、お子さんがベッドから転落するリスクがあり危険です。ベッドガードを使用されているご家庭もあるかもしれませんが、消費者庁ではベッドガードの使用は「生後18ヶ月以降から」と伝えています。万が一、それより小さいお子さまに使用されている場合は直ちに使用を中止しましょう。
安全面、そして親子の睡眠の質の観点からもおすすめしているのは、赤ちゃんにとって一番安全な睡眠環境であるベビーベッドでお子さんが自力で眠れるように、つまり「セルフねんね」を習得できるよう働きかけをしていくことです。生後6ヶ月以降のお子さんは、場合によってはねんねトレーニング(通称「ねんトレ」)を検討されるほうがよいケースもあります。詳しくはこちらを参照してください。
月齢別|寝かしつけの改善方法
次に、月齢ごとの詳細な対策についてご紹介します。
新生児~3ヶ月
生後3ヶ月ごろまでは、授乳後にげっぷを出しておむつを替えてから、おくるみスリーパーを着せて、寝かしつけをしてみましょう。おくるみスリーパーで包むことでモロー反射を防ぎ、本来赤ちゃんが持ってる「一人で寝つく力」を引き出すことができます。
ただし、このころのお昼寝はリビングなど、明るい部屋でするのがおすすめなので、リビングに布団を敷いたり、ベビーベッドを持ってきたりして、工夫しながらお昼寝する場所を用意してあげましょう。強い光さえ当たらなければ、この時期のお昼寝中は部屋を真っ暗にしなくても大丈夫です。
19時以降は照明を薄暗くしましょう。赤ちゃんが最後の夕寝から目を覚まし、その次の就寝のタイミングで真っ暗にした寝室へ移動します。そして、赤ちゃんの目がまだ開いているうちにおくるみで包んであげて、布団やベビーベッドに降ろしてみてください。この頃から起きたまま寝床に置くことを繰り返すことで、「1人で寝つく力」が身につくようになります。
朝は7時ごろに、赤ちゃんが寝ている部屋のカーテンを開けましょう。この時、赤ちゃんがまだ寝ている場合は起こさなくてよく、そのまま自然と目覚めるのを待ってください。起床後、授乳やお着替えなど朝のお世話をしたら、短時間のお散歩ができるとベストです。朝日を浴びることで体内時計の調整を促すことができます。
なお、新生児~生後2ヶ月のうちは、昼夜関係なく起きたり眠ったりを繰り返すので、就寝時間が不規則になりがちです。この時期のルーティンは、シンプルなもので大丈夫です。以下を参考にしてみてください。
既に実践しているけど、いまいち効果が出ない…という方は、寝かしつけNG行動もあわせてチェックしてみてくださいね。
4ヶ月~5ヶ月
生後4ヶ月から5ヶ月くらいもそれ以前と同様に、朝7時ごろになったら寝室のカーテンを開け、そのまま自然と目覚めるのを待ってください。起床後、授乳・着替えなど朝のお世話をしたら、お散歩へ出かけたり、日中起きている時間は明るいお部屋や屋外で過ごしたりして、日光を浴びながら過ごすようにしましょう。
ただし、お昼寝はこのころから遮光して暗くした寝室で寝かしつけるのがポイントです。これは暗い寝室に行くことで「これから寝る」という赤ちゃんへの合図=ねんねルーティンのひとつにもなります。生後4~5ヶ月の昼寝の回数は1日に4~5回が目安ですが、外出時のお昼寝は抱っこ紐やベビーカー、車の中などでもOKです!その際も出来るだけ光や視覚からの刺激を遮ってあげられるとよいですね。
生後4ヶ月ごろになると、就寝時間が徐々に定まってくるため、夜のルーティンに「お風呂」も加えましょう。お風呂は長く入れると暑くなりすぎてしまうので簡単に2-3分くらいでOKです。
20時ごろになったら、赤ちゃんがまだ起きているうちに布団やベビーベッドに寝かせます。この時期におすすめしたいねんねルーティーンは、以下を参照してください。
あわせて知っておきたい、生後4〜5ヶ月の寝かしつけNG行動はこちらをチェックしてください。
6ヶ月~8ヶ月
ずりばい→ハイハイ→つかまり立ちをするようになってくるこの時期は、自分でおもちゃをとりにいったりママのところへ移動したりと、昼間はとても活動的です。昼間によく動く分、夜の睡眠は6~8時間ほどまとめて寝られるようになる子もいます。
とはいえ個人差があるので、まだまだ夜中に起きてしまう赤ちゃんもいるでしょう。これまでと同様に、できるだけ寝かしつけの流れを習慣づける=ねんねルーティンは引き続き毎日行いましょう。この時期からは歯みがきもねんねルーティンの一部として、習慣にできるとよいでしょう。
発達が順調であることが大前提ですが、離乳食が軌道にのってくると、夜中の授乳はなくてもよい赤ちゃんも出てくるでしょう。もし、赤ちゃんが夜中におっぱいを欲しがり、ママが苦痛でなければ、夜間授乳を続けても問題はないですが、夜中に頻回に起きたり、夜泣きがひどくて悩んでいる場合には睡眠改善を考えてみてもよいかもしれません。夜間断乳に関して判断が難しい場合は、かかりつけの小児科医に相談しましょう。夜間断乳に関してはこちらの投稿で詳しく説明していますので、検討されている方は参考にしてください。
改善方法とあわせてチェックしたい、この時期の寝かしつけNG行動はこちらをご覧ください。
9ヶ月~1歳2ヶ月
引き続きどんどん活動量が増えてくるこの時期は、ねんねトラブルが起こりやすい時期でもあります。ねんねの基本の睡眠環境やルーティンなどをを改めて見直してみましょう。特に生後11か月頃から、お昼寝を嫌がったり、お昼寝の時間が短くなる赤ちゃんがいますが、まだまだお昼寝が大事な時期です。早い子だと、1歳2ヶ月くらいでお昼寝の回数が2回から1回に移行することがあります。移行は日中のご機嫌をみながら、慎重かつ柔軟に行いましょう。完全に1回に移行するまで、日中2回寝る日と1回寝る日があるかもしれません。2回寝た日は就寝が遅くなっても大丈夫です。昼寝が1回の日は就寝時間を早めてくださいね。
ご機嫌に起きていられる時間=活動時間が伸びてくるので、ねんねの悩みが出てきたら、疲れすぎには気を付けて活動時間内の寝かしつけを意識してみましょう。
1歳前後に夜通し眠っていない場合は、添い寝・添い乳・抱っこ・とんとん・などの入眠癖が原因になっているかもしれません。寝かしつけの癖をとっていくために、まずは睡眠の土台である寝室環境やねんねルーティンを見直した上で、ねんねトレーニングに挑戦してみてもよいでしょう。おっぱいや抱っこの代わりにお気に入りのタオルやぬいぐるみなど「ねんねのおとも」と寝る練習をしていくのも一案です。
あわせて確認しておきたい生後9~11ヶ月の寝かしつけNG行動は、こちらでチェックしてください。
まとめ
以上、新生児から1歳2ヶ月頃までの寝かしつけ改善方法についてお伝えしました。月齢を問わず寝かしつけの改善に効果がある習慣や環境としては以下の5つをご紹介しました。
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寝室の温度と湿度を整える
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光の使い方を工夫する(遮光をする)
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ぐっすりノイズを流す
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ねんねルーティンを取り入れる
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セルフねんねを習得する
赤ちゃんがスムーズに眠りにつくためには、寝かしつけをしている時間だけではなく、就寝の数時間前はもちろん、日中の過ごし方から意識することが効果的だとおわかりいただけたでしょうか。1日の過ごし方や推奨睡眠時間は月齢によっても変わってくるので、赤ちゃんの成長に合わせて調整してみてください。
色々と試してみてもうまくいかないときは、愛波子育てコミュニティで直接私やコンサルタントに質問をしてみてください。ご自身とお子さんにあったアドバイスをさせていただきます。各月齢に「寝かしつけNG行動」の参考記事のリンクをつけましたので、こちらも参考にしながら寝かしつけ改善に取り組んでみてくださいね!
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