生後2ヶ月を迎え、赤ちゃんがだんだんと寝なくなってきた...と感じることはありませんか?それもそのはず、2ヶ月の成長で起きている時間は徐々に増えているので、一日のほとんどを眠って過ごしていた新生児期と比べると当然、ずっと寝ているということはなくなってきます。ちなみに、生後2ヶ月の赤ちゃんの睡眠時間・活動量は以下が目安です。
- 一日の合計睡眠時間(推奨):14〜17時間
- ご機嫌に起きていられる時間:1時間〜1時間20分
起きていられる時間が少しずつ増えることはもちろん成長の証ではありますが、一方で、お子さまの健やかな成長のために、この先も最適な量(時間)・質の高い睡眠を取ることは必要不可欠です。
パパやママ、保育者のみなさんもはじめてのねんねの悩みにぶつかるのがこの時期。生後2ヶ月の”ねんねトラブルの種”にしっかり対処して、ご家庭全体で良質な睡眠習慣を手に入れましょう!
目次
生後2ヶ月の寝かしつけのお悩みと対処法
ギャン泣きする
いざ寝かしつけようと思ったら、ギャン泣きで全然寝ないというお悩み。新生児期は授乳する・眠るの繰り返しだったので、「赤ちゃんは自然と眠るもの」と思ってしまう保育者も多いのではないでしょうか?
しかし、赤ちゃんのねんねはまだまだ成長の途中。大人は眠くなればスムーズに寝ることができますが、赤ちゃんはまだ自分で寝ようとすることはできませんし、眠いという意思表示をすることもできません。そのため、眠たくなるとグズグズし、「寝ぐずり」で大泣きしてしまうことがあります。
適度な活動量(起きている時間)を超えてしまうと、赤ちゃんにとっては”疲れすぎ”の状態に。起きていられる時間は徐々に延びていきますが、ご機嫌に起きていられる目安の時間を参考に疲れすぎる前に寝かしつけを始めてあげましょう。
時間がかかる
寝かしつけのために長時間抱っこしていても、なかなか寝ない…。特に生後間もない頃はすんなり眠れていただけに、そのギャップも相まって寝かしつけに時間がかかってしまうことにストレスを感じる保育者も少なくありません。
この時期の寝かしつけが、抱っこや授乳しながらになってしまうのは自然なことです。ただ、生まれてくる前の赤ちゃんは、ママの子宮の中で一人で眠ることができていました。どんな赤ちゃんでも一人で眠る力はあるのです!
例えば、「抱っこし続けていないと寝ない」という思い込みが、寝かしつけを長期化させている可能性もあります。パパやママ、保育者にはじめにしてほしいことは、赤ちゃんにとって安全で、安心できる睡眠環境*を整えること。その上で、まずは一人で眠れる力を信じてあげましょう。
*米国小児科学会は「赤ちゃんにとっていちばん安全な寝床は、1歳までは親と同室で別の寝床」と伝えています。詳しくはこちら!
また、「寝ぐずり」にも関連しますが、寝かしつけが長期化する原因の一つには寝つきやすいタイミングを逃してしまっていることもありえます。生後2ヶ月の赤ちゃんがご機嫌に起きていられる目安の時間は1時間程度です。この時間を基準に赤ちゃんを寝床に置くようにします。しばらくぐずらず、まだ眠りにつく様子がない場合は、体力がつき、起きていられる時間が少しずつ延びているとも考えられるので次の寝かしつけでは、起きてから寝床に連れていく時間を先ほどよりも10〜15分ずつ長くしてみることで、調整してみてください。
お子さまの様子・ご機嫌をしっかり観察しながら、“今”のお子さまにとっての最適な寝かしつけのタイミングを探りましょう。
すぐに起きる
せっかく寝かしつけたのに、赤ちゃんがすぐ起きてしまう...というのもよくあるお悩みです。この悩みの原因の多くは、寝ついた時と寝ている間との状況が変化していることにあります。例えば、抱っこで寝かしつけられてその後ベビーベッドに降ろされた赤ちゃんは、眠りが浅くなったタイミングで「抱っこされていない」ことに気づき、その変化に驚きや不安を感じることが、再入眠を妨げてしまうのです。したがって、すぐ起きてしまうことを防ぐためには、寝かしつけの状況(場所、部屋の明るさ、室温、音など)が寝ている間も変わらずキープされていることが重要です。
また、低月齢期に特有の原因として、モロー反射も挙げられます。眠っている間に無意識でびくっと手足が動き、それに驚いて目覚めて泣いてしまう、というものです。この場合は、おくるみをしてあげることで反射による手足のびくつきを予防し、質の良い睡眠がとれるようにしてあげましょう。
おくるみは、モロー反射の対策に限らず、赤ちゃんが安心できる姿勢が保てたり、安全な寝床になったりと、低月齢の寝かしつけのマストアイテム。おくるみの使い方はこちらの投稿も参考にしてみてくださいね!
まだまだある!生後2ヶ月の寝かしつけのコツ
ねんねルーティンを作る
寝かしつけまでの流れや方法=ねんねルーティンは決まっていますか?毎日同じ流れで寝るまでの時間を過ごすことで寝る前に赤ちゃんをしっかりとリラックスさせ、安心させてあげましょう。ねんねルーティンは、毎日同じ時間から、毎日同じ流れで続けることが大切。就寝時間が整い、生活リズムを確立させることに繋がっていきますよ。
▼おすすめのねんねルーティン
・おふろ(約2~3分)
・スキンケア(約30秒)
・肌と肌の触れ合いスキンシップタイム(約30秒)
・授乳(約15分~30分)
・絵本の読み聞かせ(約2分)
・大好きだよと伝える/子守を歌う(約20秒)
・スリーパーを着せる(約10秒)
・ホワイトノイズなどの寝かしつけ用の音を流す(約3秒)
・寝床に寝かせる(約3秒)※パパやママは部屋を出てもOK!
授乳とねんねを切り離す
授乳をしながら完全に子どもが寝てしまうことが続くと、赤ちゃんに「授乳=ねんね」のくせがつきます。たとえば、夜中に睡眠が浅くなったときに「おっぱいや哺乳びんがないから寝られない!」と不安になって起きてしまうことが。これが1〜2時間おきに...ということも珍しくありません。
保育者の睡眠の妨げにもなってしまうので、ご家庭全体の良質な睡眠のためにもねんねルーティンを工夫して、授乳とねんねを切り離しましょう。
眠れる環境を整える
▼光
眠る際に部屋を暗くすることは子どもだけではなく、大人の睡眠にとっても大切です。部屋に光が入ってきていると、脳が「起きていてもいい!」と反応してしまうので、眠いのになかなか眠りにつけなかったり赤ちゃんにとっては早朝起きなどのねんねトラブルの種にも...。
昼夜の区別がつく生後3ヶ月頃までは、お昼寝は明るい部屋でOKですが、夜間の寝室はしっかり遮光することで、真っ暗にしてあげてくださいね。
▼音
外の車の音、電話の音や生活音で赤ちゃんが起きてしまっていると感じたら、ホワイトノイズ(アナログテレビの砂嵐の状態で聞こえるザーザーという音)、水が流れる音などの「ぐっすりノイズ」を使ってみましょう。
寝かしつけから朝起きるまで、連続して同じ音を再生しておきます。ホワイトノイズを発生させる機械、換気扇、スマホのアプリを使っても◎
▼室温・湿度
寝室の温度は、大人が肌寒く感じるくらい(20〜22度)が最適です。暑すぎると乳幼児突然死症候群(SIDS)のリスクがあがるという研究結果もあるので、衣類の着せすぎには注意をしましょう。湿度は40〜60%が最適です。
おしゃぶりを使う
ママのお腹の中にいたころから指しゃぶりをしてきた赤ちゃん。大好きなおっぱいを吸っているようでもあり、落ち着く赤ちゃんも多いです。「おしゃぶりで寝かしつけても良いのかな...」と疑問に思われるかもしれませんが、おしゃぶりがあればねんねできるのであれば、無理にやめる必要はありません!
ただし、就寝中におしゃぶりが外れて頻繁に泣いたり、おしゃぶりの入れ直しがストレスになってきたりする場合は、おしゃぶりの辞めどき。おしゃぶりの卒業に関して詳しく知りたい方は、関連投稿もご覧ください。
しばらく様子を見る
パパやママの干渉によって、赤ちゃんが一人で眠ろうとすることを妨げている可能性もゼロではありません。最初から抱っこやトントンなどにこだわって寝かそうとはせず、まずは安全な寝床に赤ちゃんを置いて、保育者は寝床の傍らで見守ってあげましょう。
泣いて起きてしまったので“すぐ”抱っこもNG。見守り→声かけ→トントン→抱っこ...と、しばらく様子を見た上で段階を踏まえて介入することが大切です。
まとめ
生後2ヶ月の赤ちゃんの寝かしつけのヒント、いかがでしたか?寝る前の過ごし方を改める「ねんねルーティン」の確立や保育者の関わり方を変えてみる(見守ること)など、今日からすぐに始められることもご紹介しました。
お子さまの健やかな成長と、それを支えるパパ・ママ、保育者の心身の健康のためにも低月齢のうちに良い睡眠習慣を作っていくことはとても重要です。
ぜひ無理なく続けられる範囲で取り入れて、お子さまとパパ・ママ、ご家庭全体の睡眠リズムを軌道に乗せていきましょう!
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◆この記事の監修者◆
日本人初 乳幼児睡眠コンサルタント
愛波 あや
出産後、自身が長男の夜泣きや子育てに悩んだことから米国で乳幼児の睡眠科学を勉強し、日本人で初めて米国International Parenting & Health Instituteの乳幼児睡眠コンサルタント資格を取得。
現在は米国ニューヨークで二人の男の子を育てながら、日本を代表する乳幼児睡眠コンサルタントとして日本人向けに講演や執筆、出版など幅広く活動。著書に「ママと赤ちゃんのぐっすり本」(講談社、2018年)と「マンガで読む ぐっすり眠る赤ちゃんの寝かせ方」(主婦の友社、2021年)がある。
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