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授乳中に赤ちゃんが泣くワケは?原因と対処のコツを解説

授乳中に赤ちゃんが泣くワケは?原因と対処のコツを解説

お腹が空いているはずの赤ちゃんに授乳しようとしても、なぜかギャン泣き!?むしろ泣きがますます激しくなるばかり...そんな経験はありませんか?ママも泣きたくなってしまうようなそんな時、もはや打つ手なしかと言えば、そんなことはありません!赤ちゃんには、まずは授乳すること・お腹を満たすこと以前に、取り除いてほしい不快なことがあるはずです。授乳中に赤ちゃんが泣いてしまう代表的な理由を把握し、対処法を持っておけば、もうあたふたからは卒業です。授乳がうまくいかない悩みから解放されましょう!

 

目次

 

授乳で赤ちゃんが泣く原因

赤ちゃんにとってもママにとっても、安心感と幸せを感じられる授乳の時間。そこで赤ちゃんが泣き出したり暴れ出してしまったりすると、ママも戸惑ってしまうし、不安にもなりますよね。

なぜ泣いてるのか、赤ちゃんが教えてくれることはなくても、いくつか考え得る理由はあります。それは赤ちゃんが何かを「不快」に感じているということ。その不快感をママに伝える表現が「泣き」なのです。

授乳の直前、授乳をしている最中、授乳し終えた時、ぐずってしまうタイミングそれぞれで、赤ちゃんに起こり得る不快の原因は異なります。泣いてしまった時の、赤ちゃんやママの状況に心当たりがあるものがないか、チェックしてみましょう。

 

授乳前

授乳をしようと赤ちゃんを抱っこしたものの、いざ授乳を始めるというところで泣き出してしまうのは、以下のような原因が挙げられます。

 

1. 眠たい

授乳前の赤ちゃんの睡眠は十分取れましたか?いざ授乳する時に赤ちゃんが泣き出すのなら、眠いためにぐずっていることも考えられます。新生児期〜低月齢のうちは、一定の授乳間隔をキープしようと、授乳の時間に合わせて赤ちゃんを起こすママも多いはず。起こされたタイミングによっては、まだ寝足りないために、機嫌が優れず、ぐずるきっかけにもなり得ます。おっぱいを飲むこと以前に眠たいという欲求が泣きに現れているのかもしれません。

 

2. 授乳に集中できない(落ち着かない)

いつも授乳しているご自宅ではない場所、例えばお出かけした先の授乳室やお友だちのお家など、普段とは異なる環境で授乳する場合、環境の変化から周りの様子が気になってしまい、赤ちゃんが授乳に集中できないこともあります。赤ちゃんが安心しておっぱいを飲める環境でないことが、授乳を嫌がる原因になっているかもしれません。

出先で授乳すると、上手く飲ませてあげられない...といったケースは、赤ちゃんが周囲の変化に落ち着かない可能性が高いです。普段の授乳から使っているもので持ち出せるもの、例えばタオルやおくるみなどがあれば、外出先の授乳でも使用して、なるべく赤ちゃんが安心できる状況を作ってあげると良いでしょう。

 

3. おっぱいを上手くくわえることができない 

おっぱいを口の奥までしっかりくわえていないと、ちゃんと母乳が飲めません。しかし、特に新生児期の赤ちゃんは、おっぱいをくわえることにも不慣れ。全てが初めてのことなので、慣れるまでは上手に乳首をくわえられず、結果的に母乳もあまり飲めないために、泣いてしまうことがあります。先端だけ口に含んでも上手に吸えないため、目安として乳輪部分が隠れるくらいまで、大きな口を開けるように促しながら深くくわえられるようにしてあげましょう。

 

授乳中

授乳はスムーズに始められたと思ったら、途中で赤ちゃんが口を離してしまい、急に泣き出してしまうようなケース。次のような原因は思い当たりませんか?

 

4. それほどお腹が空いていない / 離乳食でお腹いっぱい

授乳のリズムをつかもうと、毎日決められた感覚で授乳しているママも多いはず。いつもは同じ時間に飲んでくれていても、時には赤ちゃんもお腹が空いていないときがあるかもしれません。私たち大人も、空腹ではないのに無理に食事を勧められても困りますよね。赤ちゃんも同じで、「今はいい!もういらない!」の意思表明で泣き出すとも考えられます。

生後5か月頃を過ぎると離乳食をスタートしますが、離乳食でお腹がいっぱいになっていると、おっぱいを拒否して泣き出すこともあるでしょう。離乳食をしっかり食べて満足しているのなら、おっぱいを無理に飲ませる必要はありません。

 

5. 飲みたい量が飲めない

お腹が空いてたくさんおっぱいを飲みたいのに、それを満たしてくれる量を飲めないことも、赤ちゃんが泣き出す原因になり得ます。泣きを通して物足りなさや「もっと飲みたい」と訴えているとも考えられ、特に授乳の最中の場合は、今まさに母乳の出があまりよくないサインかもしれません。十分な時間飲むことができていないのに、赤ちゃんが授乳中に泣き出してしまうようなことが頻繁に起きるようであれば、母乳外来の活用や産院の助産師に一度相談してみることをおすすめします。

 

授乳後

 「母乳を十分飲むことができたかな」と思ったのに、授乳後、赤ちゃんが泣いたり暴れたりすることがあります。そんなときは、以下のような理由があるかもしれません。

 

6. 赤ちゃんにとっては母乳が飲み足りていない

ママからしてみれば時間的にも十分飲めていると思っても、赤ちゃんにとって「飲み足りなさ」があれば、その不満を泣くことで伝えようとします。特に授乳間隔が安定してくるようになる生後2〜3ヶ月頃までは、おっぱいをくわえることも吸うことも不慣れで上手くできないため、赤ちゃんが満足する量を飲めるまでの時間はママが思うよりもかかることが多いでしょう。

 

7. お腹いっぱいで苦しい

生後間もない赤ちゃんは特に、まだ自分の飲める量・適度な量を理解できていないため、おっぱいをたくさん飲みすぎたためにお腹がいっぱいになっている可能性もあります。赤ちゃんはおっぱいを飲むときに空気も一緒に飲み込んでいるので、それをそのままにしておくと赤ちゃんにとって不快な状態が続いてしまいます。そのため、授乳後はげっぷを出してあげることも大切です。

 

8. 室温や湿度などの環境、おむつなど授乳とは別の不快なことがある

以上の原因の他に考えられるのは、授乳とは別の不快なこと。授乳をしていたら暑くなった、授乳が終わってママから離れたら寒い、お部屋の音がうるさい、おむつが汚れている…といったようなことが赤ちゃんに不快をもたらし、ぐずっている可能性もあります。赤ちゃんが泣き出してしまったら、赤ちゃんにとって嫌がることが起きていないかチェックしてみましょう。

 

授乳の上手なやり方

これまでに説明した原因のうちのいくつかは、赤ちゃんがしっかりとおっぱいを飲めるように授乳をしてあげることで解消できるものです。以下に授乳の仕方のポイントをまとめているので、改善できそうなことがないか今一度おさらいしてみてくださいね!

 

正しい姿勢で行う

産院で教わった授乳方法も、退院後しばらくするとついつい自己流のやり方に変えたり、よりラクな体勢に崩していたり...なんてことはありませんか?母乳の出をよくするためにも、赤ちゃんがしっかり吸い付くことができるためにも、授乳中のママと赤ちゃんの姿勢や体の向きを適切に保つことはとても重要です。

ここでは代表的な4つの授乳の姿勢(授乳時の赤ちゃんの抱き方)をご紹介します。ママと赤ちゃんに合う・ママが授乳しやすい方法を取り入れればOKですが、どの授乳方法でも共通する正しい姿勢のポイントは押さえておきましょう。

 

【全姿勢共通】正しい姿勢のチェックポイント

  • 赤ちゃんとおっぱいの高さが同じであること
  • 赤ちゃんの顔がおっぱいと真正面に向き合っていること
  • 赤ちゃんの身体がよじれていないこと
  • 赤ちゃんのおなかとママの身体が密着していること 

 

横抱き

最も一般的でベーシックな授乳姿勢です。赤ちゃんを横向きに抱いて、赤ちゃんとママのおへそが真正面になるような位置で授乳します。

 

フットボール抱き(脇抱き)

赤ちゃんの身体をラグビーボールを抱えるようにママの脇に抱え込む授乳姿勢です。赤ちゃんの身体は、吸わせるおっぱいの脇の体側に添わせる姿勢で抱きます。赤ちゃんの口がよく見えるので、吸い付くのがまだ上手でない赤ちゃんが深くしっかりくわえて飲めているか確認しながらの授乳にもおすすめです。また、ママの腕やおなかに負担がかかりづらい体勢でもあるため、いつも横抱きで腕がつらい、帝王切開の傷でまだおなかが痛む、といったケースでも試してみるのもよいでしょう。

 

縦抱き

赤ちゃんをママの太ももに座らせて真向かいになるような姿勢で授乳する方法が「縦抱き」です。赤ちゃんの口がママの乳首よりも少し下になるように調整します。クッションや丸めたバスタオルなどを赤ちゃんのおしりに敷いて、高さを合わせても◎
ママも赤ちゃんも真っ直ぐな姿勢で座るので、授乳の時につい前屈みになりやすい、背の高いママにもおすすめです。

 

添い乳

ママも赤ちゃんも横になりながら授乳する「添い乳」は、ラクな授乳姿勢として取り入れている人も多いのではないでしょうか?この方法では、吸わせるおっぱいの側を下にして横になり、赤ちゃんの顔がおっぱいの正面にくるように授乳します。横になっていたとしても、正しい姿勢の共通チェックポイントは変わりません。特に、赤ちゃんの顔はおっぱいに向いていても身体がよじれてしまっていると、赤ちゃんにとって苦しい体勢になってしまうので、気をつけましょう。

また、添い乳での寝かしつけを否定する訳ではないものの、添い乳をしたまま母子で寝落ちしてしまった結果、転落や窒息...といった事故は実際に起きています。寝かしつけ方法としての添い乳にはリスクを伴うということは理解しておきましょう。大切なことは、そのリスクを最小限に抑えるために、まずは安全な睡眠環境を整えることです。安全な睡眠環境についてはこちらの記事も参考にしてみてくださいね。

 

前かがみにならないようにする

座って授乳するときのママの姿勢は、背筋を伸ばすのが基本。胸元を赤ちゃんに近づけようとするとママが前傾になってしまうので、ママが近づくのではなく赤ちゃんをおっぱいに近づけるようにしましょう。赤ちゃんを高い位置で抱く必要がある「横抱き」の授乳は、赤ちゃんの月齢が上がるほど腕の負担も大きくなります。体勢が辛くなる前に他の授乳方法にトライしたり、抱っこの腕の下にクッションやタオルを置くなど高さを調節したり、前かがみの崩れた姿勢で授乳することは避けてくださいね。

 

おっぱいを深くくわえさせる

ママの乳首の位置に赤ちゃんの口の高さを持ってくるように姿勢を整えた上で、赤ちゃんが口を開けたらおっぱいを乳輪まで深くくわえさせます。浅くふくんだまま授乳すると母乳が出づらく赤ちゃんが上手く飲めなかったり、ママの乳首に傷ができてしまったりと、トラブルにつながることがあります。

 

卒乳のタイミング

卒乳の時期はそれぞれで、明確に決まったタイミングはないものの、目安としては離乳食が完了し幼児食に移行する1才6ヶ月前後と言われています。本来自然に訪れる卒乳ですが、以下のことができる状態までお子さんが成長していることが重要です。

 

食事のリズムができている

おっぱい以外の1日3回の食事+補食(おやつ)で、きちんと栄養がとれるまで成長していることが前提となります。

 

おっぱいや粉ミルク以外の水分をとれる

コップや赤ちゃん用のマグなどのほ乳ビン以外のものを使って、おっぱいやミルクではない水分を摂取できるようになっていることも大切です。

離乳食が進んできたお子さんで、授乳中や授乳後にぐずり出す場合は、食事で十分お腹いっぱいになっている可能性もあるとお伝えしました。お子さんの様子をよく観察してみて思い当たるようであれば、食後の授乳から回数を減らしてみるのも良いかもしれません。

夜間授乳の卒業のタイミングや目安、入眠と結びつきやすい添い乳の卒業方法については別途記事がありますので、参考にしてください。

 

まとめ

授乳中に赤ちゃんが泣いてしまう代表的な理由と対処のヒントをご紹介しました。お子さんの様子をしっかり観察して、その時々不快に気づいてあげることが解決の近道です!以下のようなポイントを確認してみましょう。

授乳前なら…

  • 眠たい
  • 環境・姿勢が不快
  • うまく飲めない

授乳中なら…

  • あまりお腹が空いていない
  • うまく飲めない

授乳後なら…

  • 飲み足りない
  • お腹が苦しい
  • 室温やおむつ汚れ、眠気など、別の不快要素がある

不快の原因のほか、正しい姿勢で授乳しているかも確認してみましょう。横抱き・フットボール抱き・縦抱き・添い乳など、抱き方にはいくつかバリエーションがあるので、ママと赤ちゃんに合った方法を見つけてみてください。

本稿を読んでくださったママと赤ちゃんが、安心感と幸せを感じられる授乳タイムを過ごせるように願っています。

ねんね上手への近道♪おくるみスリーパー

 

◆この記事の監修者◆

ねんねのプロ・愛波あや

日本人初 乳幼児睡眠コンサルタント
愛波 あや

出産後、自身が長男の夜泣きや子育てに悩んだことから米国で乳幼児の睡眠科学を勉強し、日本人で初めて米国International Parenting & Health Instituteの乳幼児睡眠コンサルタント資格を取得。

現在は米国ニューヨークで二人の男の子を育てながら、日本を代表する乳幼児睡眠コンサルタントとして日本人向けに講演や執筆、出版など幅広く活動。著書に「ママと赤ちゃんのぐっすり本」(講談社、2018年)と「マンガで読む ぐっすり眠る赤ちゃんの寝かせ方」(主婦の友社、2021年)がある。


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