生後一か月の赤ちゃんが「なかなか寝ない」「夜中に起きて泣き止まない」とお悩みではありませんか? 言葉が話せない赤ちゃんは泣くことで自分の意思表示をしますが、寝てくれない原因は親であっても簡単に理解することはできないもの。無理に寝かしつけようとしてもうまくいかず、困っているママパパも多いのではないでしょうか。そこで本稿では、生後1ヶ月の赤ちゃんがなかなか寝ない時に確認すべきこととその対処法をご紹介します。
目次
急に寝なくなったときに確認すべきこと
赤ちゃんがなかなか寝付けない時は、何かしら理由があることがほとんどです。よくある原因を見ていきましょう。
お腹が空いてない?
赤ちゃんが寝ないときは、空腹感が理由であることがあります。低月齢の赤ちゃんは、一度にたくさんの母乳やミルクを飲めません。とくに低月齢児はママの母乳の分泌量に差があったり、おっぱいを吸うことを学んでいる段階なので、一度にお腹を満たせるだけの量が飲めていないこともあります。
また、常に成長している赤ちゃんの要求は予測が困難で、昨日と今日で求めることが違うこともあります。激しく泣いている場合、まずは授乳を試してみてもよいでしょう。
疲れ過ぎていない?
赤ちゃんが機嫌よく起きていられる時間を「活動時間」といい、これはある程度決まっていて思いのほか短いものです。生後1ヶ月の目安は40分~1時間くらいです。
赤ちゃんは疲れ過ぎてしまうとストレスホルモンであるコルチゾールが過剰分泌してしまい、逆に眠れなくなってしまいます。ぐずっているのではなく、機嫌がよく起きている場合も、興奮し過ぎてリラックスモードへの切り替えがうまくできなくなっているかもしれません。
おむつが汚れていない?
次に赤ちゃんが泣いているときにチェックしたいのが、おむつです。うんちの場合はすぐおむつ替えをしてあげましょう。おしっこは必ずしもすぐに替える必要はありませんが、おむつが広範囲に湿っている場合は不快に感じているかもしれませんので替えてみましょう。
お腹は張ってない?
お腹の張りも赤ちゃんがよく感じやすい不快感です。これは授乳時などに吸い込んでしまった空気がお腹に溜まることや、便秘が原因で起こります。授乳後に毎回ゲップをさせるのは一苦労ですが、ゲップをしないまま寝かせてしまうとお腹が苦しくなったり、吐き戻したりしやすくなります。
また、授乳後にゲップを出していても、授乳以外の時に飲み込んだ空気がお腹に溜まってしまうこともあります。便秘が続いている場合は、小児科を受診してみましょう。
体調不良ではない?
赤ちゃんが寝付けずに泣いている場合は、体調が悪い可能性も考えられます。いつもと様子が違うと感じたら、こまめに体温を計るなど様子を見ましょう。普段から毎日検温しておくと平熱を把握できるので、発熱があるかの判断もしやすくなりますよ。熱がなくても、腹痛や鼻水などの症状があることも考えられます。低月齢の赤ちゃんの体調は急変しやすいため、体調不良が疑われる場合は早めに医療機関を受診しましょう。
寝室環境に問題はない?
これといった原因が見受けられなのに赤ちゃんが寝ない場合は、寝室環境が赤ちゃんに適していない可能性があります。低月齢の赤ちゃんは体温調節がうまくできず、お肌も敏感。暑さやムレで不快になると、うまく寝付けず泣いて訴えることがあります。赤ちゃんの身体が熱くないか、汗をかいていないかなどを確認し、快適な室温・湿度にしてあげましょう。
また、スマートフォンの明かりやテレビの音なども刺激となり、赤ちゃんが寝ない原因となり得ます。赤ちゃんの寝室はもちろん、周辺の環境も合わせて確認しましょう。
生後1ヶ月の赤ちゃんを寝かしつける方法
お部屋の温度と湿度を整える
乳幼児の寝室は大人がやや肌寒く感じるくらいが理想的です。目安として、室温は20〜22℃、湿度は40〜60%くらいがちょうどいいと言われています。この時に最適な服装は肌着+おくるみスリーパー、もしくは肌着+長袖長ズボン+スリーパーです。
お子さんが汗をかいていたら暑すぎるので、室温と湿度を調整してみてください。夏期はこちら、冬季はこちらから、季節ごとの注意点を確認してくださいね。
不快要素を取り除く
心地よい眠りにつけるように、赤ちゃんにとって不快になっているものを取り除いてあげましょう。不快感の原因はさまざまですが、以下のリストを1つずつチェックしてみてください。
-
お腹が空いていないか
-
おむつが濡れていないか
-
室温・湿度は快適か
-
肌着や衣服が肌を刺激していないか
-
お腹が張っていないか
-
発熱などの症状はないか
-
部屋が明るすぎないか
-
テレビなどの音が大きすぎないか
低月齢期は何らかの不快感を訴えて泣いていることがほとんどです。また赤ちゃんは肌が敏感なため、衣服などに不快感を覚えることもあります。赤ちゃんの肌の様子もチェックすると良いでしょう。
ねんねルーティンをつくる
赤ちゃんは次に何が起こるかわかると安心します。寝る前の流れを毎回同じにすることで、赤ちゃんに「もうすぐ寝る時間」ということを教えてあげることができます。これをねんねルーティン(入眠儀式)といい、ねんねルーティンがあることで入眠がスムーズになったり、ねんねトラブルが減少するという研究結果があります。
生後1ヶ月はもちろん、低月齢のうちは1日のうちに何度もねんねの時間があるので、短時間で済む簡単なものでOK。以下を参考にしていただき、ご自身のご家庭にあったねんねルーティンをつくってみましょう。
ねんねルーティンは赤ちゃんが機嫌よく起きていられる「活動時間」の間に始めるのがベストです。生後1ヶ月の活動時間は40分~1時間くらいです。
朝日をしっかり浴びる
赤ちゃんに昼夜の区別を促すためには、朝日を浴びさせてあげることが効果的です。「日光を浴びる時間が長い方がより活発に活動でき、長い睡眠時間を確保できる」という研究結果もあり、日光を浴びる量が不足すると睡眠不足になったり寝つきがわるくなることがわかっています。
毎日15分くらい朝日を浴びられるとベストですが、5~10分でも十分なので、まずは意識してやってみてください。朝起きたらすぐカーテンを開け、日光を浴びましょう。これを繰り返すことで、赤ちゃんや子どもは日光を浴びる=起きる時間だと認識できるようになります。
赤ちゃんの睡眠と朝日を浴びることはとても大きな関係があります。より詳しくはこちらの投稿をチェックしてみてくださいね。
ホワイトノイズを使用する
胎児の頃は常にママの血流の音が聞こえる環境で過ごしていたため、無音だと落ち着かない赤ちゃんもいます。そんな時はぐっすりノイズを使ってみるのもよいでしょう。生後3ヶ月頃まではテレビの砂嵐音などに代表されるホワイトノイズ、それ以降は自然音に切り替えてもよいでしょう。赤ちゃんに安心して聞かせられる音源をお探しなら、わたしが監修した「ぐっすり安眠ノイズ集」をお試しください。生活音の緩和も期待できます。また、ぐっすりノイズを使用する場合は寝かしつけから起床まで再生し続けるようにしましょう。
ホワイトノイズについて詳しく知りたい方は、こちらの投稿もチェックしてみてください。
おくるみやおしゃぶりを使う
赤ちゃんがぐっすり眠れるよう安心させてあげるには、胎内環境を再現してあげることが効果的です。おくるみは胎内環境の再現のほか、赤ちゃんの身体を包み込んであげることでモロー反射を防ぎ、ぐっすり質のよい睡眠をとることができます。新生児~生後6ヶ月頃までのお子さんであれば、1枚布のおくるみよりも簡単にしっかりとおくるみができるよう開発された「おくるみスリーパー」をおすすめしています。また、おしゃぶりも赤ちゃんにとってはとても安心するものです。
ママパパが気分転換をする
赤ちゃんが生後1ヶ月の頃は、ママやパパが心身共にヘトヘトな時期だと思います。お子さんがなかなか寝ない時は焦らず、一呼吸入れましょう。例えば、「寝かしつけてから家事をしたいから、早く寝てほしい!」と思っていると、その焦りが伝わりなかなか寝てくれなかったり、抱っこからおろした途端に起きてしまったりするもの。低月齢のうちは大人の思い通りにならないことがあって当たり前と割り切って、少し肩の力を抜いてみましょう。
周りに頼める方がいる場合は、短時間でもお世話を代わってもらい、外に出てお散歩をしたり、カフェでお茶をするといったリフレッシュの時間を設けるのもおすすめです。赤ちゃんはお世話をしてくれる人の精神状態をとても敏感に感じ取るので、ママやパパの気持ちに余裕ができただけで寝るようになることもありますよ。
まとめ
生後1ヶ月が経ち、赤ちゃんとの生活にも少しずつ慣れてきたかなと思った矢先、お子さんが寝なくなってしまうと焦ってしまいますよね。本稿では、そんな時の確認事項や対策をお伝えしました。
【確認事項】
-
空腹ではないか
-
疲れ過ぎていないか
-
おむつが汚れていないか
-
お腹が張っていないか
-
体調不良ではないか
-
寝室環境に問題はないか
【対策】
-
温度と湿度を整える
-
ねんねルーティンをつくる
-
朝日をしっかり浴びる
-
ホワイトノイズを使用する
-
おくるみやおしゃぶりを使う
-
ママ・パパが気分転換をする
まだ自分で説明できない赤ちゃんが何を不快に感じているのか、眠りを妨げている要因は何なのかを探るには、考え得る項目を順番に確認していくと原因がわかることがあります。一方で、何をしても泣き止まないときもあるでしょう。そんな時はがらっと環境を変えて、外にお散歩にでかけてみるのもよいでしょう。お世話をしているママパパご自身がつらいと感じるときには、迷わず助けを求めてくださいね!
◆この記事の監修者◆
日本人初 乳幼児睡眠コンサルタント
愛波 あや
出産後、自身が長男の夜泣きや子育てに悩んだことから米国で乳幼児の睡眠科学を勉強し、日本人で初めて米国International Parenting & Health Instituteの乳幼児睡眠コンサルタント資格を取得。
現在は米国ニューヨークで二人の男の子を育てながら、日本を代表する乳幼児睡眠コンサルタントとして日本人向けに講演や執筆、出版など幅広く活動。著書に「ママと赤ちゃんのぐっすり本」(講談社、2018年)と「マンガで読む ぐっすり眠る赤ちゃんの寝かせ方」(主婦の友社、2021年)がある。
- Instagramでも随時ねんね情報配信中♪
- ねんねに限らず、子育て全般のお悩みは愛波子育てコミュニティで気軽にプロに相談できるので頼ってくださいね♡
- 寝かしつけのプロに不安や心配事を個別に相談したい!という方は、愛波あやの指導を受けたIPHI乳幼児睡眠コンサルタントにご依頼ください◎